酒類販売業免許申請
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一般酒類小売業免許
「一般酒類小売業免許」は、日本においてお酒を小売りするために必要です。
個人や企業が酒類(ビール、ワイン、焼酎など)をお客様に販売するために取得しなければならない免許です。
主なポイント
販売対象: 酒類全般を消費者に直接販売することができます。
取得条件: この免許を取得するには、一定の基準を満たす必要があります。例えば、店舗の設備や管理体制が適切であること、法令を遵守することなどです。
法律の遵守: 20歳未満の者への販売禁止、深夜の販売時間の制限など、法律や規制を遵守する義務があります。
手続き: 免許申請は事業者の所在地を管轄する税務署で申請する必要があります。手続きには一定の期間がかかります。
この免許がないと、基本的にお酒を販売することはできません。ですので、酒類を販売するビジネスを始める際には、この免許を必ず取得する必要があります。
一般酒類小売業免許の主な要件
- 税金の滞納がない事。2年以内に滞納処分を受けたことがないこと。
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けていないこと。
- 直近の決算書で繰越損失が資本等の額を上回っていないこと。
- 直近3年間のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じていないこと。
- 酒類販売又は調味食品等の販売の経験が3年以上あること。経験がない場合は他の事業の経営経験が3年以上あり、酒類販売管理研修を受講すること。
- 販売場(又は事務所)の使用権限があること。飲食店や他の営業者と区分されていること。
- 飲食店で取得する場合は、店内提供用と販売用が仕入れから販売まで明確に区分されていること。
通信販売酒類小売業免許
「通信販売酒類小売業免許」は、日本において酒類をインターネットや電話、郵便などを通じて消費者に販売するために必要な免許です。この免許があると、店舗を持たずに酒類を販売することができます。
主なポイント
販売方法:通信販売を通じて酒類を消費者に提供することができます。具体的には、インターネット通販サイトや電話、FAX、メール注文などです。
取得条件:施設の要件: 実店舗を持たなくても、酒類の保管場所などが必要です。
適正な管理体制: 未成年者に販売しないための年齢確認の仕組みなど、法令遵守のための管理体制が求められます。
経営体制: 経営者や管理者が過去に酒税法や関連法令に違反していないことが条件となります。
申請手続き:提出先: 申請は、事業者の所在地を管轄する税務署に行います。
必要書類: 申請書、事業計画書、会社の定款や登記事項証明書などが必要です。
特定地域制限:通信販売では販売地域が制限されることがあります。これは、酒類の地域限定販売に関する法律や規制によるもので、一部の地域にしか販売できない場合があります。
法令遵守:20歳未満の者への販売禁止: 通信販売でも、年齢確認を徹底する必要があります。
適正な表示: 商品ページや広告での表示が適正であることが求められます。例えば、誤解を招くような表現や未成年者向けと誤解されるような広告は禁止されています。
その他の注意事項:輸送・配送の管理: 酒類の配送方法や管理に関しても、法令を遵守する必要があります。
この免許を取得することで、直接店舗に来店することが難しい消費者にも酒類を販売することができるようになり、ビジネスの幅が広がります。
次のような場合には通信販売酒類小売業免許が必要です。
- インターネット上のECサイトで注文を受け2以上の都道府県の消費者にお酒を販売する
- インターネット上のショッピングモールに出店して酒類を販売する
- カタログやチラシを配布して2以上の都道府県の消費者に販売する
- オークションサイトを使って買い取りしたお酒を継続的に2以上の都道府県の消費者に販売する
次の場合には通信販売酒類小売業免許は必要ありません。一般酒類小売業免許が必要です。
- インターネット上のホームページで注文を受けるが、事業者の所在地に隣接する都道府県のみに限定して販売する場合
次の場合には、通信販売酒類小売業免許ではなく、輸出酒類卸売業免許が必要です。
- 海外の消費者に対してインターネットで販売する場合 越境EC等で海外の一般消費者に販売する場合は、これまで一般酒類小売業免許が必要とされていました。 海外の消費者は通販免許で定義する2都道府県に該当しないからという理由で、一般小売の免許で販売できました。 しかし2022年以降海外への販売は全て輸出酒類卸売業免許となりました。これは、海外への販売は消費者に販売しているのか、業者に販売しているのか判断が難しいため、海外への販売は全て輸出酒類卸売業免許を取得するように変更されました。
- 通信販売酒類小売業免許では、店頭で直接注文を受けての販売はできませんので、店頭での販売もある場合は、一般酒類小売業免許の取得も必要です。
また、ネット等で注文を受けて、店等での引き渡しという事もできませんので、配達により商品の引渡しをしなければなりません。
通信販売酒類小売業免許でも販売場(事務所)を指定する事となり、事業用の事務所が必要です。 ご自宅での免許取得も可能ですが、使用目的が「居住用」の場合は、所有者からの使用承諾書等が必要となります。
通信販売酒類小売業免許で販売できる酒類
通信販売できる酒類は次のとおりです。
輸入酒類
輸入された酒類であれば制限はありませんので、ワインでもウイスキーでもビールでも販売することができます。 自社で直接輸入したお酒でも、他者が輸入したお酒でも構いません。
国産の酒類
国産の酒類については下記のような制限があり、大手メーカーの酒類を通信販売することはできません。
『カタログ等の発行年月日の属する会計年度の前会計年度における酒類の品目ごとの課税移出数量が、すべて3,000kl未満である製造者が製造、販売する酒類』
上記の要件を満たす国産のお酒を通販したい場合は、販売したい品目ごとに3000kl未満であることの証明書を蔵元からもらい、免許申請時に提出する必要があります。
この場合、一品目につき、ひとつのメーカーから証明書をもらえれば問題ありません。例えば、清酒を製造している年間3000kl未満の製造量のA社とB社の日本酒を販売したい場合に、 A社から証明書がもらえれば、B社から証明書をもらえなくてもB社の日本酒を販売することができるようになります。もしこのA社が清酒の他にリキュールも製造していれば、リキュールも通信販売することができることになります。
この証明書は販売する品目ごとに必要ですので、国産の酒類を通信販売するのは簡単ではありません。国産のお酒を通販したい場合は、まずは免許取得し販売実績を重ねて、条件緩和の申出を行ない、少しずつ品目を増やしていきましょう。
3000klの判断ですが、複数の酒類を製造している製造者の場合は注意が必要です。
例えば、日本酒と焼酎を製造している会社があって、日本酒は2000kl未満、焼酎も2000kl未満は問題ありません。
しかし、日本酒は4000klで焼酎は1000klの場合は、日本酒が3000klを超えているので、この会社の焼酎も通販することはできません。
平成27年3月11日より次の酒類も販売可能となりました。
『地方の特産品等(製造委託者が所在する地方の特産品等に限ります。)を原料として、特定製造者以外の製造者に製造委託する酒類であり、かつ、当該酒類の一会計年度における製造委託者ごとの製造委託数量の合計が3,000kl未満である酒類』
通信販売酒類小売業免許の主な要件
- 税金の滞納がない事。2年以内に滞納処分を受けたことがないこと。
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けていないこと。
- 直近の決算書で繰越損失が資本等の額を上回っていないこと。
- 直近3年間のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じていないこと。
- 経験その他から判断し、適正に酒類の通信販売を行うため十分な知識、経営能力があること。
- 販売場(又は事務所)の使用権限があること。飲食店や他の営業者と区分されていること。
- 販売用のウェブサイトやカタログの記載事項が要件を満たしていること。※申請段階でウェブサイト等がある必要はありませんが、資料の添付は必要です。
酒類卸売業免許
酒類販売業者または酒類製造業者に対して酒類を販売(卸売)する免許です。
違う表現で表すと、酒類を販売する免許、酒類を製造する免許を持っている者に対して販売(卸売)する免許となります。
・料理店等へ販売する場合は酒類小売業免許となります。
・コンビニ等、酒類小売業免許を持っている者に販売する場合は文字通り酒類卸売業免許となります。
販売先により、小売、卸売と免許が異なりますので注意が必要です。
卸売業免許の種類
- ビール卸売業免許
- 洋酒卸売業免許
- 輸出酒類卸売業免許
- 輸入酒類卸売業免許
- 店頭販売酒類卸売業免許
- 自己商標酒類卸売業免許
- 全酒類卸売業免許
酒類卸売業免許の主な要件
- 税金の滞納がない事。2年以内に滞納処分を受けたことがないこと。
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けていないこと。
- 直近の決算書で繰越損失が資本等の額を上回っていないこと。
- 直近3年間のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じていないこと。
- 酒類販売又は調味食品等の販売の経験が3年以上あること。
※これらの経験がない場合には、その他の業での経営経験に加え「酒類販売管理研修」の受講の有無等から総合的に判断されます。 - 販売場(又は事務所)の使用権限があること。飲食店や他の営業者と区分されていること。
- 自己商標であることを証明できる書類。
- 仕入先と販売先の取引承諾書等があること。
自己商標酒類卸売業免許
「自己商標酒類卸売業免許」とは、自分のブランド(商標)を付けた酒類を卸売りするために必要な免許です。具体的には、会社や個人が自分の名前やオリジナルブランドを付けたお酒を製造または仕入れて、それを他の業者(例えば、飲食店や小売店)に販売する際に必要となる許可です。
主なポイント
自社ブランドのお酒の販売: 自分の商標(ブランド)を付けたお酒を、他の業者に販売できる。
卸売り: 消費者に直接販売するのではなく、他の業者に販売することを目的としています。
手続き:税務署の許可が必要で、一定の要件を満たすことが求められます。
『自らが開発した商標又は銘柄の酒類の卸売』という免許ですので、特にお酒の種類に制限はありません。
お酒の品目ごとの免許ではありませんので、一度免許を取得すれば自己商標の範囲であれば、新たに免許申請をする必要はありません。
自己商標酒類卸売業免許の主な要件
- 税金の滞納がない事。2年以内に滞納処分を受けたことがないこと。
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けていないこと。
- 直近の決算書で繰越損失が資本等の額を上回っていないこと。
- 直近3年間のすべての事業年度において資本等の額の20%を超える額の欠損を生じていないこと。
- 酒類販売又は調味食品等の販売の経験が3年以上あること。
※これらの経験がない場合には、その他の業での経営経験に加え「酒類販売管理研修」の受講の有無等から総合的に判断されます。 - 販売場(又は事務所)の使用権限があること。飲食店や他の営業者と区分されていること。
- 自己商標であることを証明できる書類。
- 仕入先と販売先の取引承諾書等があること。
全酒類卸売業免許※難易度の高い申請となります。
原則として、すべての品目の酒類を卸売することができる酒類卸売業免許です。
都道府県ごとに毎年の免許可能件数の枠があり、毎年9月1日に免許可能件数が発表されます。
免許可能件数よりも申請者数が多い場合には、抽選により審査順位が決まります。
毎年9月1日に卸売販売地域(都道府県)ごとの免許可能件数を国税庁のHPに掲載。
また、各税務署の掲示板等にも引き続き掲載します。
1か月間の申請期間(9月1日から30日)を設定し、審査順位は公開抽選により決定。
申請時には、一部の書類(申請時提出分の書類)のみの提出で差し支えないこととし、審査時に残りの書類の提出を受け付けます。
経営基礎要件における基準数量(年平均販売見込数量)は100kl以上となります。仕入先と販売先の取引承諾書が必要になります。最も条件が厳しい申請となります。
経営基礎要件
ビール卸と全酒類卸は10年以上の経験が必要になってきます。
- 酒類の製造業若しくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に直接従事した期間が引き続き10年(これらの事業の経営者として直接業務に従事した者にあっては5年)以上である者、調味食品等の卸売業を10年以上継続して経営している者又はこれらの業務に従事した期間が相互に通算して10年以上である者。
- 酒類業団体の役職員として相当期間継続して勤務した者又は酒類に関する事業及び酒類業界の実情に十分精通していると認められる者。
- 申請等販売場が沖縄県に所在する場合の申請者等の経歴については、1に定める期間が10年とあるのを3年と読み替えます。